Giardino Corsini sul Prato
コルシーニ・スル・プラート庭園
フィレンツェ中央駅から歩いて5分とかからないところに
横たわる結構広い庭園
Via della Scalaと
Via il Pratoの両側に入り口があります
現在事務所などの機能を持つ入り口は
Via il Prato側
  
Via della Scala通りに面した入り口は
毎年春(2004年は5月14・15・16日)に行われる
Artigianato e Palazzoという
手工芸職人展のときに開放になります
ばぁちゃる・フィレンツェのもくじは こちら
別ウィンドゥで開きます

Giardini Aperti 2004のもくじはこちら

Artigianato e Palazzo 2004
その昔Prato di Ognissanti
(プラート・ディ・オンニッサンティ)と呼ばれ
あたり一面に緑が広がっていたこの辺り
その名が示すとおり
「草原」のような緑の空間は
中世の時代から
人が集まり演劇や遊戯の舞台となり
フィレンツェ人に親しまれていたそう

その空間に面して建てられたのが庭園つきの宮殿で
1621年にFilippo Corsini
(フィリッポ・コルシーニ)によって
買い取られ整備され
やがては草木や花・果実に溢れる
美しいイタリア式庭園となり
美しい彫刻群も配されました
↑Via il Prato側の入り口→
←宮殿の裏手に付けられた開廊部分
ここから座って真正面を見ると
Via della Scalaの出入り口まで
庭園の大通りが続きます
開廊の両脇に付けられたデコレーション
様々な文字の書かれた大理石のかけらや紋章→
コルシーニ家の前に所有者であった
Acciaioli(アッチャイオーリ)家は
Buontalenti(ブオンタレンティ)に
宮殿の建築を依頼していましたが未完成
コルシーニ家は
Gherardo Silvani(ゲラルド・シルヴァーニ)に
引き続き建築を進めるように依頼しています
宮殿の開廊部分、装飾窓部分などは
ブオンタレンティー作


アーキトレーブ(梁部)や地階の一部に見られる
紋章をふんだんに使ったデコレーションなどが
シルヴァーニ作といわれます
この庭園の中央を貫く
散歩道に配されている彫刻は
実は道をより長く見せるために
彫刻とそれが置かれている台は
少しずつ大きさに変化がついています

もちろん内部に暮らす人々の鑑賞のためなので
宮殿の裏手に付けられた開廊部分に座って
Via della Scala側の出入り口を向いたときに
一番効果的に長く見えるようになっています
←つまりこの向き
  上記の彫刻と同じ理由で
Via della scalaに面した
出入り口の門の上についている
天使と二匹のライオンの像は
通りに向けてではなく
内側向きに
つまり内部に暮らす人が
それを眺めることを考えて付けられています→
レモンなどの柑橘類の木を
寒さから守るために
その昔貴族の庭園には必ずあった温室
Via della Scala側から開廊と宮殿を望むと
このような感じ→
この宮殿&庭園は
現在も居住用として利用されていて
犬も飼われています

なんと庭園の葉陰や生垣の陰には
何気なくオカガメが潜んでいます
かなりの数でノソノソ歩いてます
庭園内に作られた池の真ん中に置かれた
魚と戯れる子供の彫刻
庭園内の原っぱに
何気なく置かれたテーブルと椅子
こんなところで読書ができる人は幸せですね
現在の庭園部は当時の様相をほぼ残して
温室、幾何学模様の花壇、
ツゲの生垣、彫刻を配した散歩道、
菩提樹の古木を配した原っぱ
などからなっていますが
どれをとっても
まさか中央駅の目と鼻の先とは思えないほど
優雅な雰囲気
1834年には改築工事が行われ
宮殿内部は天井が高くされ
いくつかの部屋にフレスコ画が描かれました

庭園も手が加えられ
ロマン主義的な要素が加わります
庭園内に森が作られ
丘が盛られ
小さな泉が掘られました

更に1900年代に入ると
ルネッサンス様式の建物が
古い宮殿の隣に加えられています
Giardino Corsini sul Prato
Via il Prato, 58
Firenze
庭園自体は特別イベントのときを除いて
一般公開されていません