Palazzo Fossi
フォッシ宮殿
フィレンツェのサンタ・クローチェ付近

サンタ・クローチェ教会広場の西端の大通りを
アルノ川方面に向かっていくと
左手にあります

この一体は通りが狭い上に
一様に建物が高く圧迫感があって
全体的に薄暗いのですが
フォッシ宮殿も
フレスコ画で飾られている割には
華やかさに欠けるので
見落としがちです
ばぁちゃる・フィレンツェのもくじは こちら
別ウィンドゥで開きます
Giardini Aperti 2004のもくじはこちら
古くはAlberti(アルベルティ家)の所有だったものを
1456年に当時の裕福な銀行家のDuccio di Noferi Mellini
(ドゥッチョ・ディ・ノフェーリ・メッリーニ)が買収
1634年にはBernardo di Ser Alessandro Guidi Arrighi
(ベルナルド・ディ・セル・アレッサンドロ・グイディ・アッリーギ)
1705年にはQuaratesi(クアラテージ家)の手へ
そしてCoppi(コッピ家)、
Lenzini(レンツィーニ家)へと転売され
1890年にFossi(フォッシ家)の手に収まっています
題材は「ペルセウスの逸話」
  上→下そして右→左へと話が展開しています
  
最上階部分は
二人の天使がカーテンを引き上げている絵と
6つの花瓶と6つの円を交互に並べた帯状装飾
  その下に金で装飾された6つの人物像
  (おそらく詩人と王:詳細は未確定)

その下の部分に「ペルセウスの逸話」
デルフィ(Delfi)の神託
メドゥーサ(Medusa)殺害
アンドロメダ(Andromeda)の解放
フィネオ(Fineo)の石化
  

アンドロメダを解放するペルセウスの図
大扉上のメディチ・パプスブルグ紋章
宮殿自体はMellini(メッリーニ家)の時代
(1400年代から1500年代初め)に注文建築されたもの
フィレンツェ出身の建築家Cronaca(クロナカ)の
建築手法に非常によく似ているとされます
  

各階の境界を示している枠部分が突出していて
宮殿正面ファサードを三分割しています。

壁は漆喰造りでフレスコ画で飾られ
窓枠などの装飾は
ピッティ宮殿などにも使われている
Pietra Forte(ピエトラ・フォルテ)
古い資料を基に
長い間
専門家の間では
こうした一連のフレスコ画が
汚れの下に埋もれているという
推論が確立されていました
  近年になって最新技術を駆使して見事に蘇っています
  
  Diario Fiorentino dal 252 al 1596では
この宮殿はフィレンツェで二軒目の
「ペルセウスの逸話」で飾られた宮殿であると
記されているそうです
 ではもう一軒はどこだ??

←特別公開で建物の中も一部公開されていましたが
たいしたものはありません
その昔には手洗い場だったと思われますが
今は無用の長物
ほんのりルネッサンス風

内部は一般住宅となっている部分もあり
妙に所帯じみている感じがもの寂しいです
Palazzo Fossi
Via dei Benci, 20
Firenze
宮殿自体は特別イベントのときを除いて
一般公開されていません